
「洗車しても、なんだかスッキリしない…」
「すぐに水アカやシミが残る…」
そんな経験、ありませんか?
実は車の汚れってただの「汚れ」じゃなくて、汚れによって性質があるんです。
大きく分けると「酸性の汚れ」と「アルカリ性の汚れ」。
この違いを知ると、どんな洗剤を使えば良いかがわかり、無駄な力や時間をかけずに車をピカピカにできます。
今日はそのポイントを、わかりやすく解説していきますね。
pH(ピーエイチ)ってなに?
まず「酸性」「アルカリ性」と聞くと理科の授業を思い出す人もいるかもしれません。
ここで出てくるのが pH(ピーエイチ) という指標です。

- pHとは?
水溶液の酸性・アルカリ性の強さを表す数値で、「水素イオン濃度指数」とも呼ばれます。 - pHスケール
0〜14で表され、
pH7=中性
pH7未満=酸性
pH7より大きい=アルカリ性
となっています。
たとえばレモン汁は酸性、石けん水はアルカリ性。身近な生活の中でもたくさん存在しているんです。
酸性汚れとアルカリ性汚れの違い
酸性汚れの特徴

- 油汚れ、手垢、皮脂などベタベタした汚れ
- 生物由来のものが多く「有機物汚れ」に分類される
- キッチンや衣類に付く「落ちにくい汚れ」も酸性が多い
車に関係する酸性汚れの例:
花粉、黄砂、虫の死骸、鳥のフン、排気ガスの油脂、古いワックス、人の手垢 など
アルカリ性汚れの特徴

- 白っぽく固着する汚れ
- 無機物が多く、水分が蒸発した後に残るケースが多い
車に関係するアルカリ性汚れの例:
水アカ、イオンデポジット(雨染み)、鉄粉(ブレーキダスト)、カルキ・塩分(海沿いや雪道)など
有機物と無機物の違い
酸性・アルカリ性の汚れを理解する上で欠かせないのが「有機物」と「無機物」の区別です。
- 有機物
炭素を含む、生物由来の物質。燃やすと水と二酸化炭素が発生。
例:タンパク質、脂質、糖質、プラスチック - 無機物
炭素を含まないか、含んでいても生物由来でない物質。燃やしても二酸化炭素が出ない。
例:岩石、金属、塩、水、二酸化炭素、ダイヤモンド
つまり車の汚れも「有機物(酸性系が多い)」か「無機物(アルカリ性系が多い)」かに分けられるんです。
環境によって変わる汚れの種類
有機物汚れがつきやすい環境
- 春 → 花粉・黄砂
- 夏〜秋 → 虫の死骸
- 都市部 → 排気ガス油分
- 木の下や電線付近 → 鳥のフン
無機物汚れがつきやすい環境
- 青空駐車・屋根なし → 水アカ、雨染み
- 工業地帯 → 鉄粉、粉塵
- 海沿い → 塩分
- 雪道 → 融雪剤
保管場所や天候、周囲の環境で、車につく汚れは大きく変わります。
「うちの車庫は屋根なしだから水アカに注意しよう」みたいに予防策を立てると、汚れに振り回されなくなります。
酸性洗剤とアルカリ洗剤の使い分け
- 酸性洗剤(pH3〜6未満)
主に無機物汚れ(イオンデポジット、水アカ)に有効
注意:塩素系漂白剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生するため絶対に混ぜない! - アルカリ性洗剤
主に酸性汚れ(油脂、皮脂、花粉など有機物)に有効 - 中性洗剤
塗装やコーティングを傷めにくく、初心者におすすめ
イオンデポジット(水アカ)の発生メカニズム
特に車オーナーを悩ませるのが「イオンデポジット」。
雨や洗車の後に残った水滴が乾燥することで、水に含まれるミネラルがボディに固着し、白いリング状や斑点状のシミになります。
発生の流れ
- 洗車後や雨のあと、水滴が残る
- 日光や熱で水分が蒸発
- 水に含まれていたカルシウムやマグネシウムが残る
- 繰り返すと塗装面に浸透し、ウォータースポットへ進行
特に直射日光の下での洗車は要注意。蒸発スピードが速く、ミネラル固着が一気に進みます。
まとめ:pHを意識した洗車で効率アップ!
- 汚れは「酸性」か「アルカリ性」かで性質が違う
- 酸性汚れ=有機物(ベタベタ系)、アルカリ性汚れ=無機物(白っぽい固着系)
- 環境によって汚れの種類が変わるので、保管場所や天候に合わせてケア
- 洗剤は「中和の原理」で選ぶと効果的
次に洗車するときは「この汚れは酸性かな?アルカリ性かな?」と考えてみてください。
それだけで、洗車のレベルがワンランク上がりますよ!